読書メモ 締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか


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書籍情報

  • タイトル:締め切りより早く提出されたレポートはなぜつまらないのか ——「先延ばし」と「前倒し」の心理学
  • 著者:安達 未来
  • 出版社:光文社新書
  • URL:https://books.kobunsha.com/book/b10134503.html

概要 なんの本?

締め切りのあるタスクについて先延ばし(締め切りギリギリに提出)する人と、前倒し(締め切りよりずっと早く提出)する人の傾向やその特徴と性格について心理学実験なども交えつつ説明している。それぞれのタイプが持つ性格的な特徴や、なぜそのような行動をとってしまうのかというメカニズムを紐解く一冊。

印象に残ったポイント

特に気になったのは一般的に良しとされる前倒しの心理について。前倒しには仕事が早い、などの良いイメージを持たれがちなだ。しかし、せっかちな性格に起因して、思いつきで行動してしまい(衝動買いなど)あとで後悔したり、見落としによるケアレスミスなんかも起こりうる。

また別な要因として、認知負荷を避けるためというものある。これはCLEAR(認知的負荷軽減)仮説という名前がつけられており、やることを頭のなかに残しておくのを回避(負荷軽減)するために、とにかく早めに片付けてしまおうとする心理が働くらしい。メールなどにすぐ返信する、などの行動がその典型といえる。

他方、先延ばしにも良い悪いがあり、何度も行ったら経験している(慣れた)作業では適切な見積もり、スケジューリングを行う(効果的な先延ばし)もあれば、単にやる気が起きずに部屋の片付けなどの回避行動をしてしまい、着手が遅れてギリギリまで放置するパターンもある。

これらの傾向は性格や先延ばしグセなどの特性だけに依るものでもなく、タスクへの関心や理解度などの状況にも依存するという観点もあるということを覚えておきたい。

なおタイトルにある「つまらないレポート」とは、時間不足や推敲の省略により、とりあえず完成したものを提出してしまう状態を指す。そうした背景から質が低くなる傾向に言及した説明だった。人生の関心事や優先度は人それぞれであり、そのようなレポートが出ることもあるだろう。

まとめ 感想

先延ばし、前倒しが起こる状況についていくつかの論点について書かれていた。それぞれの典型的な特徴についても触れており、自身の経験に照らし合わせて、どちらの傾向にあるかも知ることができる。また、新書なので1、2時間でさくっと読め、著者の身近な経験、例なども豊富で、読みやすく面白かった

人生はマルチタスクが常なので、脳内への負担や能力を鑑みて、状況に即したタスク管理や、やることリストの作成粒度を模索して最適化していくのがよさそうだと思った。